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精神病棟で生活する少女たちのリアルを描いた映画 「17歳のカルテ」は、安住からの卒業の物語。

精神病棟で生活する少女たちのリアルを描いた映画 「17歳のカルテ」は、安住からの卒業の物語。映画

どうも、シマウタオウタオです。
今回のメンタルヘルス映画は、「17歳のカルテ」です。

この映画は、境界性パーソナリティ障害(BPD)を患うスザンナ・ケイセンが、精神病棟入院時の体験を元に書いた自伝「思春期病棟の少女たち」を原作とする実話です。

そして、主演ウィノナ・ライダーも、10代の頃に境界性パーソナリティ障害で精神科入院歴があったため原作に共感し、自ら映画化権を買い取り、制作総指揮まで務めた意欲作です。

用語説明境界性パーソナリティ障害とは、人格障害の一つで、感情が不安定で気分の波が激しい、良い・悪いを両極端に判断する二極思考、強いイライラ感が抑えきれないなどの症状があります。若い女性に多く、自傷、自殺、薬物乱用リスクが高いため、注意が必要です。
有病率約1~3%
用語の変遷境界性人格障害 → 境界性パーソナリティ障害

今回も月額400円のAmazonプライム・ビデオで視聴しました。

あらすじ

監督
ジェームズ・マンゴールド
製作
ダグラス・ウィック
キャシー・コンラッド
製作総指揮
キャロル・ボディ
ウィノナ・ライダー
キャスト
ウィノナ・ライダー
アンジェリーナ・ジョリー
クレア・デュバル
ブリタニー・マーフィ
エリザベス・モス

主人公スザンナ・ケイセンは、アスピリン一瓶とウォッカ一本を飲んで自殺未遂を疑われ、精神病棟クレイモアへ送られる事になった。そこでスザンナは、自分より深い心の闇を抱えた少女たちと出会い、ここは自分の居場所ではないと強く感じる。

しかし、その病棟で自由奔放にふるまうボス的存在・リサと出会う。彼女の飾らぬ言動に心惹かれ、次第にこの病棟に居心地の良さを感じ始める。だが、反社会性パーソナリティ障害を持つリサの行動は次第にエスカレート。退院した女性を自殺に追い込むなど周囲を傷つけていく。

やがてスザンナは「ここに長くいてはだめだ」と感じ、自らの病気と向き合い始める。そして、一年後に退院。仲間と離れ、クレイモアを後にする。

感想

精神病棟とそこで生活する少女たちの等身大を描いた良作です。精神病棟は悪意を持って描かれるわけでもなく、美化されるわけでもなく、良心的な普通の病院です。また職員も良識的な人ばかり。こういった普通の精神病棟が舞台の映画って、数少ないですよね。

そして、入院患者は3種に分かれます。
・軽度メンヘラ・・・スザンナ・ケイセン、境界性パーソナリティ障害
・重度メンヘラ・・・リサ・ロウ、反社会性パーソナリティ障害
・普通メンヘラ・・・その他の入院患者たち、拒食症・過食症・空想虚言症など

ストーリーを10代少女風にまとめると、

軽度メンヘラのスザンナ、アスピリン一瓶をウォッカで流し込んだら精神病棟行き。入院している普通メンヘラを見てドン引く。「やべー奴ばっかじゃん、さっさと帰りたいわー、私病気じゃないし」。カウンセリングもやる気なし。

しかし、自由奔放な重度メンヘラのリサと出会う。「やべー、ここ楽しいかも、仲間も出来たし、居心地いいわー」。昔うっかり寝た男が脱走させようとしたら、「私病気だし、ここに残る」と断る。

でもリサは、重度メンヘラの困ったちゃんなので、無計画に施設を脱走。退院した普通メンヘラの元に転がり込む。普通メンヘラを罵倒して自殺に追い込む。また死にたい人の背中を押しちゃった(・ω<)テヘペロ、と悪気なし。

施設に戻った軽度メンヘラのスザンナ、「やべー、こんな所に長居したら、私やべー」。自分が病気であることを受け入れ、カウンセリング頑張る。そして退院が決まる。

重度メンヘラが最後の嫌がらせをしてくるも、「あなたはすでに死んでいる」とケンシロウばりのセリフで退治。無事、退院する。

こんな感じです。

そして、スザンナの最後のセリフが格好いいです。

「一年を無駄にしたわ」

この言葉は重いですね。この言葉により、この映画はより輝きを放ちます。ありきたりな「いい経験だったわ」「私の大切な場所だった」ではなく、はっきりとこの一年が無駄だったと言い切ります。

しかし、スザンナは、ここで仲間と心触れ合い、人の温かさを知り、病気と向き合う決意ができたのも事実です。それにもかかわらず、このセリフ。重いです。ぐっと来ます。

映画として派手さはありませんが、面白い作品です。10代女性の方が感情移入できるため、より楽しめるかもしれません。

またリサ役でアカデミー賞を受賞した、新人の頃のアンジェリーナ・ジョリーの名演は必見です。お時間のある方は、ぜひご覧になってください。

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