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貴志祐介のベストセラー小説を実写化した「悪の教典」は、伊藤英明の魅力が満載。

貴志祐介のベストセラー小説を実写化した「悪の教典」は、伊藤英明の魅力が満載。映画

どうも、シマウタオウタオです。

今回は、貴志祐介のベストセラー小説を実写化したサスペンス映画「悪の教典」です。「海猿」で熱血な海上保安官役を演じた伊藤英明が、生まれながらに他人への共感能力を持たないサイコパス(反社会性パーソナリティ障害)教師役に挑戦しヒットしました。

本作は、R15+(15歳未満は観覧禁止)です。また15歳以上であっても、大量殺人シーンがあります。苦手な方の視聴はお控えください。

今回も月額400円のAmazonプライム・ビデオで視聴しました。

あらすじ

監督
三池崇史
製作
市川南
エグゼクティブプロデューサー
山内章弘
企画・プロデュース
臼井央
プロデューサー
東幸司
キャスト
伊藤英明
二階堂ふみ
染谷将太
林遣都
浅香航大

「2010年ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!2011」でともに第1位を獲得した貴志祐介のベストセラー小説を、鬼才・三池崇史監督が映画化。「海猿」の伊藤英明がサイコパス教師役に挑む。

ハスミンというニックネームで親しまれ、生徒たちから圧倒的な人気と支持を集める高校教師・蓮実聖司(伊藤英明)。生徒だけでなく、ほかの教師や保護者も一目を置く模範的な教師だったが、その正体は生まれつき他人への共感や良心を持っていないサイコパス(反社会性人格障害)であった。

学校と自身に降り掛かったトラブルや障害を取り除くために、平然と殺人を犯しては校内での地位を強固なものにしていく蓮実。しかし、ささいなミスから自身の凶行が知られそうになってしまう。それを隠そうと悩んだ彼が導き出した答えは、クラスの生徒全員を殺すことだった…。

感想

面白いです。特に「三文オペラ」の「メッキー・メッサーのモリタート(殺人物語大道歌)」を口笛で吹きながらの殺戮シーンは、ポップで私の好みです。

しかし、他のレビューサイトでも指摘される通り、映画としての完成度はそれほど高くありません。映画では、原作小説の肝であるサイコパス蓮実聖司の心理描写や、生徒の人心掌握術、生徒との頭脳戦がバッサリと削ぎ落されています。

そのため、蓮実聖司が大量殺人に至る心境も理解できず、対立する敵役も存在しないため盛り上がりに欠け、二発しか装填できない猟銃を前に無抵抗に殺されていく”死にたがりの生徒たち”という、アメリカB級ホラーのような展開です。

悪の教典

© 2012「悪の教典」製作委員会

また、ハーバード大卒、MBA取得、元敏腕トレーダーという頭脳明晰な蓮実聖司のキャラクターが活かされておらず、生徒の殺戮シーンも猟銃の腕前だけが頼りというお粗末さです。

原作小説の最大の魅力である「生徒を一人も逃さず追い詰めていくサイコキラー」vs「自分の武器を最大限に生かして対抗する高校生」の頭脳バトルが、「猟銃の腕前が頼りの肉体派サイコキラー」vs「無抵抗の死にたがり生徒たち」に堕しています。

結果として、サスペンスとしても、ミステリーとしても、ホラーとしても中途半端な作品と言わざるを得ません。やはり、上下巻合計1000ページ弱の小説を2時間の映画にまとめるのは無理がありますね。

しかし、それでもなおこの映画は観る価値のある面白い映画です。それはひとえに伊藤英明の演技と三池崇史監督の演出のおかげでしょう。

原作に比べれば、物語に重厚さが欠けますが、2時間のサイコパス・エンターテインメントとして見れば、十二分に面白い映画です。特にラストシーンで伊藤英明が「チッチキチー」と口笛を吹きながら踊るシーンは身震いします。ぜひ一度ご覧になってください。

悪の教典

© 2012「悪の教典」製作委員会

三池崇史監督も原作者の貴志祐介も「続編を描きたい」と語っているため、続編にも期待です。

ご興味の沸いた方は、原作小説と小説を漫画化した作品もご覧になってください。より深いサイコパスの心理描写、生徒との頭脳バトルを楽しむことが出来ます。

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