どうも、シマウタオです。
今回のメンタルヘルス映画は、脱獄犯と人質となった少年の心の触れ合いを描いた名作「パーフェクト・ワールド」です。ケビン・コスナーとクリント・イーストウッド、二大スターの初顔合わせが話題を呼びました。
親子の絆、毒親、アダルトチルドレンをテーマにした映画なので、今回選んでみました。
今回も月額400円のAmazonプライム・ビデオで視聴しました。
あらすじ
- 監督
- クリント・イーストウッド
- 脚本
- ジョン・リー・ハンコック
- 製作
- マーク・ジョンソン
デビッド・バルデス - 撮影
- ジャック・N・グリーン
- キャスト
- ケビン・コスナー
クリント・イーストウッド
ローラ・ダーン
T・J・ローサー
キース・ザラバッカ
63年テキサスを舞台に、犯罪者と幼い少年の心の絆を描いた名作ロードムービー。ケビン・コスナーが主演し、クリント・イーストウッドが監督・出演と、二大スターの初顔合わせが話題を呼びました。
1963年、テキサス州。ブッチ・ヘインズ(ケビン・コスナー)は、アラバマ刑務所から同じ囚人のテリー・ピューと脱走した。途中、8歳の少年フィリップの家に押し入った2人は少年を人質に逃亡するが、ブッチはフィリップに危害を加えようとしたテリーを射殺する。
すぐに厳重な警戒線が張られ、州警察署長のレッド・ガーネット(クリント・イーストウッド)が陣頭指揮に当たった。追い詰められ凶暴性をむき出したブッチは、一夜の宿を提供してくれた男に銃を突きつけるのだった。この世に残された唯一の完璧な楽園“パーフェクト・ワールド”を目指すふたりの行方は…。
感想
面白いです。泣けます。名作です。今回は十数年ぶりの視聴で、ストーリーもほぼ覚えていましたが、それでも十二分に楽しめました。
それにしても、クリント・イーストウッドって、本当にすごい映画人ですね。役者としてのキャリアは60年以上、監督としても40年以上、87歳の現在もコンスタントに新作を撮り続け、第一線で活躍しています。
そんなクリント・イーストウッドが、監督としても脂が乗った62歳の時に撮った映画がこちらです。同年に「ザ・シークレット・サービス」(主演)、前年に「許されざる者」(監督・主演)にも出演しています。ワーカホリック(仕事中毒)すぎます。
そして、主演のケビン・コスナーも、ダンス・ウィズ・ウルブズ(1990)、JFK(1991)、ボディガード(1992)と人気絶頂、出演映画すべてが大ヒットしている時です。
そんな二大スターが共演する映画、面白くないわけないです。2019年現在も、おススメの泣ける映画としてランクインするほどです。
しかし、映画としては非常に地味です。
脱獄犯と人質となった少年の心の交流というプロット自体は珍しくないですし、親子ほど年の離れた二人のロードムービーもあります。警察から逃げる脱獄犯を描いた映画なんて、陳腐化の定番です。
そう、この映画には奇をてらったものが一つもありません。派手な演出も、凝ったカメラワークも、奇抜などんでん返しもなく、物語を補完する回想シーンすらない。ただ脱獄犯ブッチと人質の少年フィリップが、車でアラスカを目指すだけです。
しかし、最高に面白いです。ありふれた食材で極上の料理を生み出す、クリント・イーストウッド監督の手腕が光ります。
また、クリント・イーストウッド監督は、善悪では判断できないアンチヒーロー像を作るのが非常に上手いです。善人の中にある悪、悪人の中にある善…。
今回は、脱獄犯という悪人の中にある善を描きました。父親に捨てられ、売春宿で育ち、犯罪の道へ進んだ男。保安官時代にブッチを車泥棒の罪で4年間少年院送りにしたガーネットは、その理由を「ブッチの父親が暴力を振るう危険な男であり、少年院にいる方が彼にとって安全だった」と説明します。
しかし、ガーネットの願いも空しく、ブッチは少年院で犯罪を覚え、その後も犯罪者の道を進みます。完全に悪人となったブッチは刑務所を脱獄し、目指した先が“アラスカ”です。
自分を捨てた父親から届いた一通の絵葉書を頼りに…。アラスカが、この世に残された唯一の完璧な楽園“パーフェクト・ワールド”だと信じて…。幼少期に与えられなかった父親の愛情を求めて…。
悲しいです😭
哀しすぎます😭
アダルトチルドレンの悲哀です😭
1993年という25年前の映画ですが、時代を超える名作です。ぜひ一度ご覧になってください。「いやー、映画って本当にいいものですね~」と言いたくなる王道映画であり、万人におススメします。
父親の愛情を求めてアラスカを目指す脱獄犯と、父親の顔を知らない厳格な家庭の少年、そんな疑似親子の二人が、アメリカ黄金期の60年代に、テキサスの田舎道を、カントリーソングを聞きながらマッスルカーで疾走する、喪失と回復のロードムービーです。
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