どうも、シマウタオです。
今回の映画は、反社会性パーソナリティ障害を描いた「時計じかけのオレンジ」です。1971年(日本では1972年)公開という50年近く前の映画ですが、今なお世界中で多くの若者を魅了するカルト映画の傑作です。
今回も月額400円のAmazonプライム・ビデオで視聴しました。
あらすじ
- 監督
- スタンリー・キューブリック
- 製作
- スタンリー・キューブリック
- 製作総指揮
- マックス・L・ラーブ
サイ・リトビノフ - 原作
- アンソニー・バージェス
- キャスト
- マルコム・マクダウェル
パトリック・マギー
マイケル・ベイツ
ウォーレン・クラーク
原作者アンソニー・バージェスが”危険な本”と語った同名小説を、鬼才スタンリー・キューブリックが映画化。露骨な性描写、過激な暴力表現で一時公開禁止にまでなった衝撃の問題作。
舞台は近未来のロンドン。15歳の不良少年アレックスは、仲間とともにドラッグに溺れホームレスをリンチするなど、無軌道な暴力に明け暮れていた。ある日、敵対グループの少年たちを襲撃した帰り、警察に追われたアレックスたちは、作家夫婦の家に押し入る。「雨に唄えば」を口ずさみながら暴れまわり、夫の目の前で妻を輪姦する。
彼らの暴力は次第にエスカレートし、金持ちの老女の家に強盗に入った際に、アレックスは騒いだ老女を撲殺してしまう。そして警察が駆けつけ、仲間に裏切られた彼一人が逮捕される。
2年後、獄中のアレックスは刑期の短縮と引き替えに、ルドヴィコ療法という新しい治療法の実験台になることに。この実験により、アレックスは性行為や暴力に対し嫌悪感を覚え、殴られても殴り返せない大人しい別人になってしまう。そして釈放された彼を待ち受けていた未来は…。
感想
今回は10年ぶりくらいの再視聴でしたが、時間を忘れるほど面白かったです。50年近く前の映画ですが、古臭さを全く感じません。間違いなく時代を超えた名作映画です。
近未来のロンドンという舞台、山高帽とエドワード7世風の個性的なファッション、ベートーヴェンなどの古典派音楽、そして暴力とSEX。すべてが時代を超え、普遍的な魅力を持つものばかり。
それらを鬼才スタンリー・キューブリック監督の大胆で繊細な演出により、”悪の舞踏劇”とも呼ぶべき極上のエンターテインメントに昇華させています。さらに50年後も多くの若者を魅了することでしょう。
イギリスで上映禁止に
この映画の暴力的な描写とストーリーは当時の若者を魅了し、1970年代にイギリスで強盗や殺人などの模倣犯罪を引き起こし、マスコミはこの映画の上映中止を訴えました。
そして1976年公開の「バリー・リンドン」撮影中、アイルランドを訪れていたキューブリック監督とその家族に対し、殺害の脅迫が送りつけられたのです。犯人は映画の中でアレックスと仲間たちがしたように、ロンドン郊外にある監督の家へ押し入ると警告しました。
自身と家族の安全を危惧した監督の要請により、1973年イギリス国内で全ての上映が禁止されました。再上映が始まったのは、キューブリック監督が亡くなった後の1999年になってからです。
小説「ライ麦畑でつかまえて」と同じように、カルト的な魅力を持った作品は、いつの時代も若者を暴走させるものですね。
原作と映画の結末の違い
映画ではベートーヴェン第九を聴いたアレックスが不気味な笑みを浮かべ、元の人格に戻ったことが暗示される結末を迎えますが、実は原作小説にはこの続きである最終章が存在します。
最終章では、回復したアレックスが再び暴力に明け暮れるものの、再会したかつての仲間と話していく中で、暴力から卒業し、結婚して家庭を持つことを決めます。アレックスはこの時、自分が行った過去の暴力を振り返り、「子供時代には誰も避けられない道だろう。俺の子供にもいつか若い頃の話をするだろうが、暴力の道に進むことを止めることはできない」と自分の行いは若気の至りであったと独白し、エンディングを迎えます。
しかし、アメリカで出版された小説ではこの最終章が削除され、キューブリックもアメリカ版の原作小説をもとに映画化したため、映画では原作者の意図しない終わり方となっています。
しかし、私はこちらの結末の方が好みです。アレックスには中途半端に改心してほしくありません。Coolなソシオパス(社会病質者)、それがアレックスです。原作小説も面白いので、ご興味のある方は読んでみてください。
アレックスの魅力にやられて衝動買い😓
アレックス、格好いいなー。さすが2003年に発表された「アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100」で、悪役12位に輝くだけあります。
そして、物欲がほとんどないミニマリストの私にしては珍しく衝動買い。Amazonで、アレックスのフィギュアとパーカーをポチってしまった😓
パーカーは余計だったと、ちょっと後悔しています。
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