どうも、シマウタオです。
今回のメンタルヘルス映画は、吃音に悩む英国王ジョージ6世の苦悩と克服への道のりを描いた「英国王のスピーチ」です。
今回も月額400円のAmazonプライム・ビデオで視聴しました。
あらすじ
- 監督
- トム・フーパー
- 製作
- イアン・カニング
エミール・シャーマン
ギャレス・アンウィン - 製作総指揮
- ジェフリー・ラッシュ
- キャスト
- コリン・ファース
ジェフリー・ラッシュ
ヘレナ・ボナム・カーター
ガイ・ピアース
デレク・ジャコビ
吃音に悩む英国王ジョージ6世が、妻エリザベス妃と言語療法士ライオネルとともに吃音を克服し、国民に愛される王になるまでを描いた実話に基づく感動作。
英国王の次男ジョージ6世は、幼い頃から吃音というコンプレックスを抱え、人前に出ることを嫌う内気な性格であった。そんな息子を厳格な父は許さず、ジョージは妻エリザベスに付き添われ、何人もの言語聴覚士を訪ね、吃音を治そうと試みる。
ある日、エリザベスはスピーチ矯正の専門家ライオネルのもとへ夫を連れていく。ライオネルは、診察室では私たちは平等と宣言し、愛称で呼び合うことを求め、ヘビースモーカーのジョージに煙草を吸わせないなど風変わりな男であった。彼のユニークな指導のもと、吃音の克服に励むジョージ。二人の間には、いつしか奇妙な友情が芽生えはじめる。
1936年、英国王が亡くなり長男のエドワード8世が即位するも、エドワードは離婚歴のある女性との結婚を望み、一年も経たぬ前に王位を弟ジョージに譲る。ジョージは望まぬまま英国王になり、そして1939年、ドイツのポーランド侵攻を受けて英国はドイツに宣戦布告、第二次世界大戦が始まった。ジョージは国民の心をひとつにするため、世紀のスピーチに挑む…。
感想
深い感動と満足感が残る上質な作品です。時間軸に沿い、主人公ジョージ6世の物語を丁寧に描いており、誰でも安心して見ることが出来ます。しかし、実在の英王室を描いた作品であるため、映画として派手さはなく、記憶には残らない作品かも知れません。
自らも吃音症であった脚本家のデヴィッド・サイドラーは、英国王ジョージ6世と言語療法士ライオネルの物語に心を打たれ、30年以上この企画を温めていました。吃音という障害を正面から捉え、克服への苛酷な道のりを描いた、吃音で悩むすべての人に勇気と希望を与える作品です。
英国王の次男という華々しい生い立ちの彼にとって、吃音という障害はとても重く厳しい試練です。奥まった場所に鎮座し、数人の侍従と会話を交わせばいい国王の時代は終わりました。1920~1930年代という激動の時代において、国王はラジオ放送を通じて、国民一人一人に語りかけねばなりません。
父である英国王ジョージ5世は、彼にこう言います。
In the past, all a King had to do was look respectable in uniform and not fall off his horse. Now we must invade people’s homes and ingratiate ourselves with them. This family’s been reduced to those lowest, basest of all creatures. We’ve become actors!
そして、彼には職業選択の自由はありません。
ライオネル「仕事を変えるべきでは?」
エリザベス「変えられないのです」
Queen Elizabeth: My husband is, um… well, he’s required to speak publicly.
Lionel Logue: Perhaps he should change jobs.
Queen Elizabeth: He can’t.
1936年、英国王である父が亡くなり長男が即位しますが、一年も経たぬ前に退位、彼は望まぬまま英国王になります。もう彼には、吃音を克服する以外に道は残っていません。
そして1939年、ドイツのポーランド侵攻を受けて英国はドイツに宣戦布告、第二次世界大戦が始まります。彼は国民を鼓舞し、国民の心をひとつにするため、緊急ラジオ放送に挑みます。
昨今、障害を受け入れて共に生きる柔らかな物語が多い中で、障害に立ち向かわざるえない男の物語は、新鮮で力強く心が震えます。しっとりとした雰囲気で楽しめる上質な作品ですので、ぜひ一度ご覧になってください。演技の上手い役者陣のぶつかりあいは必見です。
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