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障害者の視点からアメリカ現代史を描いた「フォレスト・ガンプ」は何度見ても泣ける名作映画。

障害者の視点からアメリカ現代史を描いた 「フォレスト・ガンプ」は何度見ても泣ける名作映画。映画

どうも、シマウタオウタオです。
今回は、主人公が軽度知的障害である映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」を視聴しました。

用語説明知的障害とは、発達期(おおむね18歳未満)までに生じた知的機能の障害により、認知能力(理解・判断・思考・記憶・知覚)が全般的に遅れた水準にとどまり、社会生活において困難を伴う状態であることを言います。

今回も月額400円のAmazonプライム・ビデオを利用しました。

あらすじ

監督
ロバート・ゼメキス
製作
ウェンディ・フィネルマン
スティーブ・ティッシュ
スティーブ・スターキー
原作
ウィンストン・グルーム
キャスト
トム・ハンクス
サリー・フィールド
ロビン・ライト
ゲイリー・シニーズ
ミケルティ・ウィリアムソン

少し頭は弱いが、誰にも負けない俊足と誠実な心をもった男フォレスト・ガンプの数奇な人生を、アメリカ現代史と重ねて描き出していく名作ヒューマンドラマ。

アラバマ州に住む主人公フォレスト・ガンプは、知能指数が人よりも劣っていたり、背骨が曲がっているため脚に矯正器具を着けるなど、ハンディキャップのある少年だった。しかし、フォレストの母親は普通の子どもと同じように育てたいと願い、公立小学校へ通わせる。

小学校へ向かうスクールバスの中で、フォレストは優しく美しい少女ジェニーと運命的な出会いを果たす。同級生にいじめられ、石を投げられたフォレストは、ジェニーの「走って!」 の一声に、自転車で追いかける同級生を引き離し、脚の矯正器をバラバラにしながら物凄いスピードで走り続ける。

やがて、俊足を買われてアメフト選手として大学に入学。スター選手として活躍し、卒業後は軍隊に入隊。ベトナム戦争では仲間を救って勲章をもらう。除隊後はエビ漁を始めて大成功を収める。しかし、幼い頃から思い続けているジェニーとは再会と別れを繰り返し、すれ違いが続いていた・・・。

感想

何度見ても泣ける名作です。今回は十年ぶりくらいに見ましたが、面白かったです。泣けました。

しかし、障害を題材にしていますが、障害を主題にした映画ではないのでご注意ください。フォレスト・ガンプは架空の人物であり、この映画の主題は”アメリカ現代史”です。

頭が少し弱く、矯正具なしではまっすぐ歩くことのできない”うすのろフォレスト”(ガンプは、俗語でうすのろ)は、アメリカ現代史を振り返る語り部としての存在であり、アメリカ現代史の光の部分を象徴した存在です。

生まれながらに移民国家・多民族国家であり、それゆえ人種差別といった問題を内包するも、持ち前のバイタリティでハンディキャップを乗り越え、一心不乱に走り続け成功を収める、それがアメリカであり、フォレスト・ガンプなのです。

この映画が描く1950年代~80年代にかけて、アメリカはどこの国よりも走り続け、どこの国よりも輝きを放ちます。

クー・クラックス・クランから始まり、エルヴィス・プレスリー、アラバマ州立大学黒人入学問題、ケネディ大統領、ベトナム戦争、反戦運動、ブラックパンサー党、ピンポン外交、ジョン・レノン、ウォーターゲート事件、そしてアップル社・・・。この映画の中では、このような歴史的事実をフォレスト・ガンプとともに描き出します。

一方、アメリカの影の部分を象徴するのが、幼なじみの女性ジェニーです。同じアラバマ州で生まれ、父親に性的虐待を受けて育ち、フォークシンガーを目指すも、ストリップ劇場で裸で歌う。反戦活動に熱を上げ、ドラッグにおぼれ、自殺未遂をする。そして、行き場を失い、フォレストの元へ身を寄せる。

子どもの頃、守るべき存在であったフォレストが、誠実な心で次々と成功を収める中、ジェニーは一貫して時代に翻弄され、何かを成し遂げることもなく漂い続けます。

この映画の隠れたテーマソング、ボブ・ディランの「風に吹かれて」のように。冒頭とラストに登場する、風に舞い漂う羽のように。

そう、この映画は、時代に翻弄され流されるジェニーと、運命を受け入れ歩み続けるフォレストという、対極する二人の物語なのです。

そして、最後に二人は結ばれ、子どもを残し、ジェニーは亡くなる。光と影が刹那に一度だけ交わり、次の世代を残し、次のアメリカを担ってくれることを祈って・・・。

フォレストは、ジェニーの墓前でこう言います。

「ジェニー、僕には分からない。正しいのはママなのか、ダン小隊長だったのか。僕らには皆運命があるのか、それとも風に乗って、たださまよっているのか。たぶん、その両方だろう。両方が同時に起こっている。」

笑いあり、涙あり、時代を映し出し、示唆に富む。間違いなく名作映画です。見た事ない方は、ぜひ一度ご覧になってください。アカデミー賞を受賞したトム・ハンクスの名演は必見です。

最近見てないなぁと言う方は、この機会にもう一度見てみませんか。ボブ・ディランの「風に吹かれて」(Blowin’ in the Wind)を一曲聴いてからね。

How many roads must a man walk down
どれだけの道を歩めば

Before you call him a man?
一人前の「男」とみなされるのだろう

How many seas must a white dove sail
白鳩はどれだけの海を渡れば

Before she sleeps in the sand?
砂の上で休むことができるのだろう

Yes, and how many times must the cannon balls fly
どれだけの砲弾が飛び交えば

Before they’re forever banned?
撃つことを止めることができるのだろう

The answer, my friend, is blowin’ in the wind
友よ、「答え」は風に吹かれている

The answer is blowin’ in the wind
「答え」は風に吹かれている


Yes, and how many years can a mountain exist
山はどれだけの年存在できるのだろう

Before it’s washed to the sea?
海に浸食されるまで

Yes, and how many years can some people exist
何年かかるのだろう

Before they’re allowed to be free?
ある人々が自由になるまでに

Yes, and how many times can a man turn his head
人は何度顔を背けるのだろう

And pretend that he just doesn’t see?
見ないふりをして

The answer, my friend, is blowin’ in the wind
友よ、「答え」は風に吹かれている

The answer is blowin’ in the wind
「答え」は風に吹かれている


Yes, and how many times must a man look up
人は何度見上げれば

Before he can see the sky?
空を見ることができるのだろう

Yes, and how many ears must one man have
人はどれくらいの耳があれば

Before he can hear people cry?
人々の悲しみが聞こえるのだろう

Yes, and how many deaths will it take ‘till he knows
どれくらいの人が死ねば

That too many people have died?
あまりに多くの人々が死んだことに気づくのだろう

The answer, my friend, is blowin’ in the wind
友よ、「答え」は風に吹かれている

The answer is blowin’ in the wind
「答え」は風に吹かれている

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