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精神病棟を描いた「クワイエットルームにようこそ」は、 面白くて後味の悪い、しんどい映画。

精神病棟を描いた「クワイエットルームにようこそ」は、 面白くて後味の悪い、しんどい映画。映画

どうも、シマウタオウタオです。
今回のメンタルヘルス映画は、精神科の閉鎖病棟を描いた「クワイエットルームにようこそ」です。

今回も月額400円のAmazonプライム・ビデオで視聴しました。

あらすじ

監督
松尾スズキ
チーフプロデューサー
小川真司
エグゼクティブ・プロデューサー
豊島雅郎
原作
松尾スズキ
キャスト
内田有紀
宮藤官九郎
蒼井優
りょう
塚本晋也

監督・俳優・作家・演出家としてマルチな才能を発揮する松尾スズキが、芥川賞候補となった自身の同名小説を映画化した異色コメディー。

仕事も恋愛も微妙な28歳のフリーライター佐倉明日香は、ある日、目が覚めると見知らぬ白い部屋にいた。そこは“クワイエットルーム”と呼ばれる、精神科の閉鎖病棟の特別室だった。ナースから「アルコールと睡眠薬の過剰摂取で運ばれ、2日間昏睡していた」と聞かされる。

仕事があり退院したいと訴えるが、担当医と保護者の同意がなければ出来ないと取り合ってもらえない。見舞いに来た同棲相手で放送作家の鉄雄から「胃洗浄をしたら薬の量が多すぎて、内科から精神科に運ばれた」と告げられる。こうして明日香の閉鎖病棟生活が始まった。

「食べたくても食べられない」入院患者のミキ、元AV女優で過食嘔吐を繰り返す西野など、個性的な患者たちに戸惑う明日香だったが、病院のルールにも次第に慣れ、閉鎖病棟に馴染み始めていく。そして、日常から切り離された明日香は、自分自身の人生を見つめ直し始める…。

感想

面白い。確かに面白い。原作は芥川賞候補作にもなった同名小説であり、監督の松尾スズキ氏は舞台演出が本業だけあって閉鎖病棟という限られた空間で物語を展開するのが上手い。結婚引退後、離婚を経て復帰後初の主演作になった内田有紀の演技も素晴らしい。原作・脚本・監督・役者陣ともに申し分ない。

しかし、ラストにかけての急転直下のストーリー展開は、正直しんどい。軽快なコメディーと思って楽しく見ていたのに、重く悲しい現実という名の鈍器で突然頭をガツンとやられ、フラフラになったまま終わってしまった。ラストの解決策もリアル過ぎて夢がない。

一言で言えば、読後感が悪い映画だ。笑えもせず、泣けもせず、もんもんとしてスッキリしない。起承転結の転と結が近すぎて、頭がこんがらがったまま終わってしまった。こんなに急”転”回するなら、もう少し時間をかけて視聴者を”結”へと導くべきではなかろうか。

クワイエットルームにようこそ

©『クワイエットルームにようこそ』フィルムパートナーズ

メンヘラさんがこの映画を見るときは、ご注意ください。うつ状態の時は控えて、調子のいい時を選びましょう。この映画の転から結へのストーリーは、かなり堪えます。特に他人に迷惑をかけた経験があり、その罪悪感から自己嫌悪に陥りがちな人はお気を付けください。

個人的には読後感が悪いと思いますが、それでも主人公の楽観的で前向きなキャラクターと、演じた内田有紀のボーイッシュな雰囲気のおかげで、結末にも爽やかさと希望が残り、作品として完成度が高いです。

精神科の閉鎖病棟をユーモラスに描いた群像コメディでありながら、人間の内面と真摯に向かい合った怖い作品です。心の準備をして、ぜひ一度ご覧になってください。内田有紀と宮藤官九郎の名演は必見です。

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