アスペルガー症候群を描いた小説をまとめました。本探しのご参考にしてください。
用語説明アスペルガー症候群とは、知的障害を伴わない自閉症のことであり、むしろ特定分野の知的能力が高い例もあります。しかし、相手の表情が読み取れない、特定分野に強いこだわりを持つ、社会的ルールや暗黙の了解が分からないといった特徴があり、社会生活に困難が生じる発達障害の一つです。
エデンの命題(島田荘司)
アスペルガー症候群の子供たちを集めた学園から、少女が消えた。残されたザッカリ・カハネのもとに届いた文書に記されていたのは、世界支配に取り憑かれた民族の歪んだ野望と、学園の恐怖の実態だった。生きるため、学園を脱出したザッカリを待ち受ける驚愕の真実―。ほかに、「21世紀本格」の嚆矢となった「ヘルター・スケルター」を収録した歴史的傑作中編集。
Myフェアリー・ハート―わたし、アスペルガー症候群。(成沢達哉)
こだわりが強く、他人とうまくコミュニケーションがとれない亜咲は「変わった子」と呼ばれ、生きにくさを感じながら学校生活をおくっていた。しかし、知的障害を伴わない自閉症、軽度発達障害の一種である「アスペルガー症候群」と診断されたことにより、自らの個性を認め、家族や周囲の理解と協力を得ながら、新たな一歩を踏み出していく…。誤解されることの多い独自の世界観を、当事者の目線からやさしく細やかに描いた一冊。
あの扉のむこうへ―自閉の少女と家族、成長の物語(藤家寛子)
自閉スペクトラムの作家が、自閉の子どもの心のうちを、読みやすい物語につづりました。自閉の人々と、「一般」の人々との架け橋となる一冊。
マルセロ・イン・ザ・リアルワールド(フランシスコ・X・ストーク)
マルセロは発達障害をもつ17歳。「リアルな世界」を経験してほしいという父親の望みに応え、ひと夏を、彼の法律事務所で働くことに。新しい出会いに仕事に戸惑いながらも、試練の毎日を乗りこえていくが、一枚の写真から、事務所の秘密を知ってしまい…。だれもが経験する不安や成長を、発達障害をもつ少年の内面からえがく、さわやかな青春小説。
夜中に犬に起こった奇妙な事件(マーク・ハッドン)
ひとと上手くつきあえない15歳のクリストファーは、近所の犬が殺されているところに出くわす。シャーロック・ホームズが大好きな彼は、探偵となって犯人を探しだすまでを、一冊の本にまとめようと決める。勇気を出して聞きこみをつづけ、得意の物理と数学、そしてたぐいまれな記憶力で事件の核心へと迫っていくクリストファーだが…冒険を通じて成長する少年の姿が多くの共感を呼び、全世界で舞台化された感動の物語。
モッキンバード(キャスリン・アースキン)
アメリカ、バージニア州の小さな町の中学校で銃乱射事件が起きた。アスペルガー症候群の少女ケイトリンは、ただひとり頼りにしていたお兄ちゃんを事件で失ってしまう。絵が得意で本が大好きだけれど、他人の気持ちを読み取ることができないケイトリンは、小学校で友だちもできない。パパは悲しみにくれているし、親身になって支えてくれる学校カウンセラーのブルック先生も、ケイトリンの本当の思いはわかってくれない。そんなとき出合ったある言葉の意味をさぐるうち、ケイトリンは、社会で生きるために大事なことに気づいていく。全米図書賞(2010年)児童文学部門受賞。
沈黙の殺人者(ダンディ・デイリー・マコール)
野球チームの監督を殺害した容疑で裁判にかけられるジェレミー。―あのやさしい兄が人を傷つけるなんて、ありえない!妹のホープだけは無実を信じているのだが、事件について、兄はひとことも話そうとしない。「お願い、ジェレミー、やってないって伝えて!」―2012年エドガー・アラン・ポー賞(YA小説部門)受賞。
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