双極性障害の治療で重視されることは、躁うつ状態からの回復だけではありません。再発を繰り返すごとにそのスパンが短期間になり、悪化しやすいというリスクがあるため、再発を予防することが最も重要な治療となります。
主に「薬物療法」と「精神療法」を組み合わせての治療となります。以下に薬物療法に使用する薬を列挙します。
・気分安定薬
双極性障害治療の中心となる薬。躁やうつなどの気分の波を小さく安定させるために使う薬で、再発予防にも効果がある。治療開始から使われることが多いが、妄想を伴うなど症状が重症になってきた場合は、抗精神病薬を追加したりする。
・抗精神病薬
「躁」のいらいらをしずめ、気持ちを穏やかにする作用や、睡眠を助ける働きがあるものもある。特に新しい世代の抗精神病薬は、海外では再発予防効果や抗うつ効果があるとの報告もあり、欧米では双極性障害の薬として認められている。
・抗うつ薬
単極性うつ病で用いる抗うつ薬は、双極性障害の場合、「うつ」の症状から「躁」の症状へと躁転させる可能性もあるため、基本的に用いない。ただし、重症の「うつ」がある場合は、気分安定薬と抗うつ薬を併用することもある。
・睡眠薬
不眠がある場合に用いる。寝つきが悪い、朝早く目覚めるなどの症状に合わせて、それに合った薬を使う。急にやめると眠れなくなることが多いため、やめるときはすこしずつやめなければならない。
双極性障害は再発の可能性が高く、症状が良くなってからも、しばらくは薬を飲み続ける必要があります。処方された薬は、自分の判断で量を減らしたり、やめたりせず、必ず主治医に相談しましょう。
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